続・鉢植右から3番目


 取り残された私は呆気に取られた。

 ・・・どこいった、あの子?ぽかんと口を開けて奈緒が消えた店の入口を見る。

 電話って・・・・いきなりだな、おい。

 でも戻ってくるんだろうし、仕方なく目の前に置かれたおかゆに向き直る。

 もう冷めてしまったそれを、ゆっくりと口に運んだ。

 出汁で煮立てているらしく、ふんわりとカツオの匂いがする。口の中でふんわりと溶けて、甘いコメの味を遺した。

「・・・美味しい」

 話をして、すこしばかりスッキリした頭で、私は目が覚めたようだった。

 さすが、女友達。この胸に溜まりまくったざわざわが少しずつだけど溶けていくのを感じる。

 話したかったのだ、私は、こんなにも。

「美味しいわ、このおかゆ」


 確認するようにまた声に出す。よし、と座りなおした。折角だから、食べられるだけ、食べようっと。



「これ、やってきて」

 20分くらい経った頃、戻ってきた奈緒が私の目の前に差し出した白い箱を、私は目を見開いて凝視した。

「――――――――は?」



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