磯口家執事
「早かったね兄さん」
「いやーホントは昨日の内に着きたかったんだけどさ、コレが空港で引っ掛かっちゃって」
感動、その他諸々の事情により涙ちょちょぎれるものとなった再会から3時間後。
朝食の席で当たり前のようにヌンチャクを振り回す兄の釈明に、晋作は戦慄した。
「別に危険じゃねーよ、って扱ってみせたんだけどなぁ……」
宙の凄い所は、テーブルに着きながらでもヌンチャクを正確に操れる所である。
……空港の係員は、歴戦の勇者にしか見えない客を前にさぞやおののいたことだろう。
しかもそれは、あながち間違いではない。