ヴァイス君の日常


おとなしくなった俺をにやりと嫌な笑みを浮かべて見てくるニコル。


「さっきのセリフ、兄さんが聞いたらどう思うかな?」


「は?さっきのセリフって何だ?」


「フローラちゃんみたいな嫁が欲しいって言ってたじゃない」


「・・・・・」


確かに美味いプリンを食べて言ったような気がする・・・


「それは、美味いプリンを作ってくれる嫁さんって言う意味で姫さんの事を言ったんじゃないぞ!」


「ふーん」


不思議と姫さんに対して恋心が芽生えない俺。

すげぇ美人で、優しいし理想の女性なんだけど・・・

きっと、最初に会った時に既に王子のモノって認識してたのかも。


「お前、仮病なんだからさっさと自分の部屋に戻れよ」


「だから、本当に具合が悪いんだってば」


全然、病人に見えないコイツをベッドから叩き落してやろうとしたら


・・・カチャ


ドアが開いて再び姫さんが入ってきた。


「姫さん、コイツ仮病だから此処から叩き出して!」


ゼェゼェ言いながら訴えると


「え、でもニコル様もお熱が高くて運ばれたって聞きましたけど・・・」


「え?」


ほんとに病人なの・・・?


「だから、さっきから言ってるじゃない」


涼しい顔で俺に言うコイツのどこが高熱?




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