ヴァイス君の日常
俺とクッキー
俺は、今モーレツに腹が減っていた。
考えてみれば、昨日は夕飯を食い損ねて今日の朝は早くから起こされて騎士団の仕事してて朝飯も食ってねぇよ・・・。
「ヴァイス様?」
後ろから声を掛けられて振り返ってみれば
「姫さん・・・とアリス?」
姫さんと侍女のアリスが立っていた。
もう、ずっと王子の部屋にいる姫さんには侍女は付いていなかった筈だが・・・
「大丈夫ですか?何だかやつれているように見えるんですけど・・・」
姫さんが心配そうに覗き込んでくる。
「アハハ・・・昨日から何も食ってなくて力が出ないのよ」
乾いた笑いしか出てこない俺。
「えぇっ!?昨日からですかっ?」
アリスの驚いた声が腹に響く・・・。
何でもいいから早く腹に何か入れないと・・・死ぬ。
もう、ここから厨房に行くのもツライ。
「良かったらこれをどうぞ?」
姫さんが手渡してくれたのは星型の可愛いクッキーが入った袋だった。