ヴァイス君の日常
「クッキ、クッキ、クッキッキー♪」
スキップしながら厨房へ急ぐ俺。
周りから見たら、最早スキップとは言えない位のスピードだった。
・・・ガチャ
厨房のドアを開けると、大勢の料理人が忙しなく動いている。
シュンシュンと大鍋から湯気が吹き出ていて、早くも夕飯の下拵えの準備が始まっていて忙しそうだ。
「おう、ヴァイス。こんな時間にどうした?」
料理長のジルが野菜を片手に声を掛けてくる。
「奥のテーブルに姫さんが作ったクッキーがあるって聞いたんだけど・・・」
「あぁ、たんまり残ってるぞ」
クイッと指で合図をされて奥を見ると確かにぎっしりと詰まったクッキーが見えた。
テーブルを見ると箱が3つ。
その横に、入りきらなかったクッキーが山盛りになって置いてあった。
「え・・・これ全部いいのか?」
もの凄い数のクッキーは星型と、何故か茶色いハート型のクッキーに分かれていた。
持ちきれねぇから、ある程度ここで食っていくか・・・
さっきは、星型のクッキーを食ったから、今度はハート型を食ってみよう。
そう思ってハート型のクッキーの袋を開けた・・・・・が。