ヴァイス君の日常
「おぇっ・・・」
水でうがいをしたが、それでも血は流れ続けていた。
ルイスのとこに行って止血してもらわねぇとダメかも・・・
---死ぬかと思ったぞ・・・
パール嬢の料理の腕は殺人的だった。
一体、何の目的で作ったんだ・・・
貰った奴は災難だな。
「俺、ルイスのとこに行ってくるわ」
姫さんが作った方の星型クッキーだけを抱えて厨房を後にした俺は直行でルイスの居る医務室へ。
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「また、派手に血だらけになっていますねぇ・・・」
呆れたように口の中を覗き込んだルイスは、傷口に薬草を磨り潰した薬を塗っていく。
「すぐに良くなりますが薬が浸透するまでは、このままでいてください」
こくりと頷いて診察室から出たルイスと、ソファーのある応接室へ移動する。
「おや?それはフローラ様が作っていた星祭り用のですか?」
「あぁ」
医務室のソファーに座って茶を飲みながら時間を潰す。
「私も貰いましたよ」
ルイスの机の上を見れば星型クッキーの袋がちょこんと置いてあった。