ヴァイス君の日常
ソフィだって?
「料理に匂い粉を使う事は禁止されていますよ?」
姫さんの言葉に
「でも、美味しくなるでしょ?」
全く動じないパール嬢。
---おいおい。禁止されてる物を使うんじゃないよっ!
「それは舌を麻痺させるから、そう感じるだけです」
「でも匂い粉には媚薬の効果もあるって聞いたわ」
何だか二人の会話の内容が怖い。
媚薬って・・・誰に食わせるつもりなんだよ。
嫌な予感しかしないぞ?
「禁止されているのには、それなりに理由があります。匂い粉は確かに媚薬効果はありますが、その副作用に悩まされるんですよ?」
パール嬢に言い聞かせるように優しく言う姫さん。
「そうなの?次からは気をつけるわ・・・」
“次から”って事は・・・今、テーブルの上にある特大ケーキは捨てるのか?
「じゃあ、私。ヴァイスを探してくるっ♪」
「え?ちょっ・・」
姫さんが呼び止める前に、部屋を出て行ったらしいパール嬢。
恐ろしい言葉が頭の中をグルグル回ってる。
確かにパール嬢は“ヴァイスを探してくる”と言っていた。
やっぱり、頭上にあるケーキは俺に食わせる予定だったのか・・・