ヴァイス君の日常
城中の食事の用意をするこの厨房は戦争のようだ。
邪魔にならないように端っこを通って奥に進んで行くと・・・
「あら、ヴァイス様!おはようございます」
顔馴染みのコック見習いが料理の盛り付けをしながら声を掛けてきた。
「はいはい、おはようさん」
次々に声を掛けられるから簡単に挨拶をして目的の料理長の元へ。
もう俺の腹は厨房中に広がってる、いい匂いに我慢の限界を迎えていた。
「おう!ヴァイス」
話し掛けてきた大柄な髭親父。
一見、極悪人に見えるこのお方こそ、俺の腹を大満足させてくださる料理長様だ。
「おはよう、ジル」
二カッと笑えば
「奥のテーブルに準備出来てるぞー!」
と嬉しいお言葉。
テーブルが置いてある奥の部屋を覗き込めばキラキラと光る料理様達が並んでいた。
早速、料理を食おうと手を伸ばせば俺の横からフォークが伸びてきて肉にぶっ刺さった・・・
肉はそのまま後ろへ消えていく。
目で、それを追えば肉はルイスの口へ放り込まれていた。
「あぁーっ!俺の肉っ!!!」
「流石、料理長ですね!この肉の柔らかさといい、ソースの味付けといい最高です!!」
俺の肉を食ったルイスは新作料理の感想を言い始めた。
「そうかい?嬉しいねぇ」