ヴァイス君の日常
「ルイスっ!!俺の肉を返せぇ~っ!!」
「ヴァイス、煩いですよ?よく見てください。新作料理はまだあるでしょう?」
言われて見れば確かにまだ新作料理の皿は他にもあった・・・
「おう、ルイス。それ食ったらロック様のところに朝食持ってってくれよ?」
ひょっこりと顔を出したジルがルイスに声を掛けた。
「はい、そちらのテーブルに用意してある料理でよろしいですか?」
ルイスが王子達の朝食を確認している間に、新作を口に放り込んだ。
「美味いっ!!このソース最高!」
ルイスが王子達の料理をカートに乗せている間に食い終わった俺は、こっそりともう一食分の料理をカートの下の段に乗せてナプキンを掛けた。
カラカラと廊下に響く音。
ルイスが押してるカートの音だ。
王子の部屋について行く俺を不思議に思っているのかルイスがチラチラと見てくる。
「何だ?」
「ヴァイスもロック様のお部屋へ行かれるのですか?」
「あぁ、用があるからな」
なんて話していたら王子の部屋の扉が見えてきた。
以前なら、何の変哲もなかった扉だけど今は厳重な結界が張られていて王子が解除しないと中に入れないようになっていた。
これもニコル対策だ。
・・・コンコン
ルイスが扉をノックすると「誰だ」と中から低い声が聞えた。