イケメン女子の学園生活 〜番外編〜


三人目、泪。


「僕はぁ“頑張ったね”って誉めてぇ!」


いつだって誉めてやってんじゃん。


『頑張ったな、泪。頑張るお前はかっこよかったぞ』


ポン、と頭に手を置く。

いつ触ってもフワフワで気持ちいな。


「さっくんのがカッコいいしぃー!!////」


うん。やっぱ可愛いな泪は。

そんな真っ赤な顔で潤んだ瞳を出されたら女も男もイチコロだぞ。


















四人目、翔。


「……………」

『…』


考える暇はあっただろうに。

オレの目の前に座った今でも考えているようだ。


「……、“楽しい”って」

『え?』

「嘘で良いから…俺と話せて、“楽しい”って……言って」


嘘って…。

どこまで控え目なんだろうこの人見知り狼は。

翔と居ると落ち着くし、話せて楽しいに決まってる。
オレが我慢して一緒にいるタイプじゃないのは知ってんだろ。

楽しいから、一緒に居るんだよ。



『オレは、お前と話せるようになって良かったよ。楽しいし、嬉しい。……嘘でもお世辞でもない…オレの本音』

「っ////……ありがと」


そう言って優しく笑う翔。

その笑顔だって良いのに。

そりゃ、もうちょっと話せば良いのにって思うけど。
それは言いたそうにしたいのに言わないからで。

だけど、それが翔の良い所でもあるから気にする必要もない。




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