イケメン女子の学園生活 〜番外編〜
vacation
――…久し振りに休みをもらった。
〜遠野 side〜
朔月に遣えてもう…4年くらいかな。
4年間、まともな休みは一回もなく、体調不良で1日休めたら良い方だ。
それに不満はない。
何しろこの仕事が好きだし充実しているから。
『お前、ずっと働いてるな……ちょっと休め。オレからお願いしとくから』
そんな朔月の一言で、日曜日、俺はフリーになった。
アイツの優しさは本当に嬉しい。
……が、正直ありがた迷惑。
何をするでもなくボーッとカフェに佇む俺は久々の休み、自由に困惑中。
「……チッ」
目の前のアイスコーヒーを一気に喉に流し込むと視線を送ってくる奴をジロリと見た。
視線の先の女従業員はキャーキャー騒いで何かを話し合っている。
………全く、この顔は厄介だ。
背中を完全にソファに預け項垂れる。
楽しくねぇ。
詰まんねぇ。
目を閉じると朔月の顔が浮かぶ。
アイツ…今頃仕事をやってんだろーな。
そー言えばティータイムだ。
アイツの好きなやつちゃんど出してやってんのかな。
「……て、おいおい…」
ブンブンと首を振って消そうと試みる。
休みまでアイツの心配って……。