イケメン女子の学園生活 〜番外編〜


お化け屋敷の中は薄暗く、結構府陰気作りが上手かった。

あれ?
入ってすぐの所、朔月君がピタリと足を止めた。




『あ、………無理。慎二、無理』

「え?」


朔月君の顔はハッキリ見えないけど、声から焦っていることが何となく分かった。




『哲と来たときはこんなんじゃなかった。……うん、何かリアルに…』

「え?え?リニューアルしたのかな?もしかして、お化け屋敷、苦手?」

『苦手…じゃない。血とか生首は平気だけど…………「ギャァーーーーーーーーーーーー!!」……っ!?』

「、大丈夫?」




何処からか聞こえてくる悲鳴に朔月君がビクリと身体を強ばらせた。

これって…もしかしなくても、チャンス?




『無理無理無理無理。音系が本当に無理。暗い&音ビックリ本当に無理。あんときのは明るくて哲の悲鳴で助かってたのかぁぁ〜………』

「あ、なるほど。随分、説明口調だね…」

『で、でで出るぞ慎二。オレは出る!』

「ダーメ。せっかく入ったんだから、行くよ」

『慎二は鬼か…!?』

「失礼な。それに、後ろも真っ暗だよ?朔月君さっきの説明口調時に走ったから」

『!?…本当だ。よし、駆け抜け「ヒィィイ……ギィヤァアァァァ〜〜〜!」………』

「……」



ピクリと音に反応した朔月君は静かに俺の服の裾を握った。

可愛い…じゃなくて、本当に駄目なんだな、悲鳴とか。



『ごめん、駆け抜けれそうもない』

「うん。手、繋ぐ?」

『…繋ぐ』




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