イケメン女子の学園生活 〜番外編〜
溜め息をついてから手についた汚ない水滴をズボンで拭った。
「……ぁの」
…………やべ。
忘れてた忘れてた!
声がした方を振り向くと眉を下げ、少し赤くなった目で見つめる女の子。
困った顔をしてる…。
『……あー、ごめん!邪魔して』
そういえば、オレってただ邪魔しただけじゃん…。
オレの言いたい事だけをぶつけたけど、この女の子にとっては邪魔だったり……
「いえ、邪魔なんて…ありがとう、助けてくれて」
ペコリと頭をさげた女の子。
なんだ、素直で可愛いじゃないか。
『いや、オレが嫌いなんだあーゆう男』
「……私、馬鹿だよね…あんな先輩と付き合って…本当っ、馬鹿……」
また涙を浮かべた女の子の頭をポンポンと撫でる。
『馬鹿じゃないよ。真剣に好きだったから泣けるんだよね?だったら、大丈夫。勉強になったって事で、また次を頑張れば良いよ』
ニッコリ笑いかけると女の子はたちまち真っ赤になってオレを見上げた。
「あ、ありがとう!黒崎君みたいな人を好きになるっ!」
『え?オレで良いの?』
「うん!黒崎君本当にかっこ良かった!あの、私雛(ヒナ)って言うの。黒崎君のお陰で元気でた。ありがとう」
ニッコリと笑った雛ちゃんはスゲー可愛かった。
元気になれたなら良かったな。
『それじゃ、友達としてよろしくな?雛ちゃん。あんな先輩は今度会ったら雛ちゃんからフってやりな』
「うん!ありがとう!またね、黒崎君!」
凄く顔を赤くした雛ちゃんは元気にお礼を言ってニッコリ笑う。
そして、パタパタと可愛らしく去っていく雛ちゃん。
………雛?
あぁ!小鳥さんをまた忘れてたぁ!!
……ごめん、小鳥。
今行くよ。
〜クールな男前 end〜