イケメン女子の学園生活 〜番外編〜
中秋の名月
「月見日和だねぇ………」
〜泪 side〜
ちゅうしゅーのめいげつ
だって。
よく分かんないけど、月が綺麗らしいよ?
『そうだな〜』
だから、さっくんを拉致って月見なのです!
「まん丸だねぇ」
月牙の倉庫の屋上。
一緒に倉庫で月見しよーってなって。
僕がさっくん拉致って屋上に閉じ籠り♪
「おい!開けろ!」
ドンドンと扉を叩く音なんか聞こえません♪
『……五月蝿いな。泪、大丈夫か?』
「だいじょーぶだいじょーぶ!」
さっくんに抱き着くと優しく撫でてくれる。
気持ちくて目を細める。
『…月、明るくて綺麗だな。あ、そうだ。今日何食べる日か知ってる?』
「んぅ?何ぃ?」
『月見団子とか里芋。丸いのを食べるんだよ』
ニッコリ笑ったさっくんは手に持っていた袋を僕に見せた。
「なぁに?それ」
『月見団子。作ってきたんだ』
エッヘンと鼻を鳴らすさっくんはまあるい可愛い団子を出した。
『はい、どーぞ』
「いただきまぁす」
パクリと一口。
ほのかに甘いモチモチした団子が口いっぱいに広がる。
「おいひい」
『だろ?これなきゃ月見じゃない』