ミルク珈琲
「今日クラス替えだねー。また一緒のクラスになれるかな?」
「さぁー…?五分の一確率だから運に任せるしかないよね。」
眉を下げながら少しだけ不安そうな顔をする蜜柑の横を歩きながらあまり気にしていないような返事をする。けど実際はかなり気にしている。
私達の高校は2年生に進級する時しかクラス替えをしない。だから今回が最後のクラス替えになる。
今日、別々のクラスになってしまえば卒業までこのままという訳だ。
蜜柑以外にも勿論友達はいるけど親友と呼べるのは彼女だけ。だから絶対に同じクラスになりたいと思っている。
クラス分けの事を今ここでとやかく言っても意味ないのでその話は置いておいて、他愛も無い話をしながら歩いているとあっという間に学校に着いた。
校門のすぐ近くの掲示板にクラス分けの紙が張り出されているので数十人の生徒がその前で群れをなしている。
「むー、こんな事ならもう少し早く来るべきだったね!」
掲示板に近付くけどわいわいと騒ぎながら喜びあったりしている生徒達が邪魔でクラス分けの紙が見えないので蜜柑が小さく唸りながら口を尖らせる。
そんな蜜柑を横目に見て可愛いなと思いながら背伸びをしたら丁度クラス分けの紙が半分くらいまで見えた。
わりと直ぐに2年5組の欄に自分の名前があるのを見つける事が出来た。そのすぐ下には桐生蜜柑と書かれている。
背伸びを止めて蜜柑に向き直りにっと笑いながら
「蜜柑、卒業まで同じクラスの友達としてよろしくね?」
と言って笑った。