ミルク珈琲
2年5組の教室へ行くともう20人くらい生徒がいた。数人のグループを作って談笑していたり机に突っ伏して寝ていたりそれぞれ好きな様に過ごしてる
私達もホームルームが始まるまで世間話(?)をする事にしてさっさと席に着こうと黒板に張り出されている座席表を確認した。それには1番前の、しかも教卓の真ん前の席に如月と書いてあった。
席は出席番号順だから蜜柑が後ろにいるのが救いだけど…
この席だと居眠りとか出来ないし早く席替えしないかなーなんて思いながら自分の机の横に鞄を掛け椅子に座って蜜柑と話をしやすい様に体を横に向けた。
「そういえば担任って誰だった?」
私と同じ様に机の横に鞄を掛けた蜜柑が思い出したように聞いてきた。
担任?そういえば誰だったけ…?蜜柑と同じクラスになれた事以外どうでもよかったからチラッとしか見てなかったし…
「えーっと…確か…わた、なべ…みたいな名前だった気が─」
「ウソッ、渡辺先生!?やったー!」
蜜柑は私が言い終わらないうちに小さく声を上げて驚き、直ぐににぱっと明るい笑顔を浮かべた
「……渡辺先生って誰?」
基本的に関わりのない人は先生だろうが覚える気が無かったから顔も名前も全く分からない。まぁ、関わってたとしても名前と顔が一致しない時もあるんだけどね。
「学校で1番若くて格好いいって評判の先生だよ!女子生徒は勿論、女の先生の間でもかなり人気なんだよ!」
何で知らないの!?みたいな顔をされながらも簡単に渡辺先生の事を説明してもらった。