【短編】惚れやすい女
男運ないって言葉でまとめようとしてた。

逃げようとしてた。

自分を守ろうとしてた。


男運がない、なんて言葉で自分を哀れんでた。



それから啓くんから来るメール。

返事をせかすものはなかった。

適当に返事をして、そして遊びに出かけてた。


合コン、飲み、ドライブ。

啓くんとは一度も遊ぶことはなかった。



そんなとき。

この日は合コンで知り合った大輔くんと遊んでいた。

いくら惚れやすいと言っても大輔くんはない。って感じの人。


暇だったし、断らなかった。

でもそれが大間違い。


男はきっと優しくしてくれるものって思ってた。

男はこわいって考えが全くなかった。

知りもしないのにヒョコヒョコ着いて行ってて今まで無事だったのが不思議だったのかも。


その日、車の中で大輔くんに襲われた。


拒否しまくったけど


「慣れてるんだろ。抵抗して殴られてーの?」


顔に傷を作るのは嫌。

わたしはバッグで殴り、車を降りて無我夢中で走った。


大輔くんは全く追いかけてこなかったけど。
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