【短編】惚れやすい女
それからは本当に男の人と遊びに行くのをやめた。

レイプされてからじゃ遅いもん。

信用できる人と遊ぶことにしようって決めた。



啓くんからの連絡もなくなった。

きっとマリファナをやめたくないんだろうな。


でもわたしは…毎日あってた啓くんからの連絡がないのが気になった。

もしかして捕まったんじゃないか、何かあったんじゃないか、とか。


何があってもおかしくないもん。

心配になってた。

気になってしょうがなかった。



だから電話してみた。


「もしもし?」


電話口から聞こえた啓くんの声。

ホッとした。


『啓くん?』


わかってるのに名前を聞く。

何を話せばいいかわかんない。

自分で断ってるのに電話してくるわたしに啓くんはきっと驚いてるだろうし。


「うん、どうしたの?何かまたあった??」


ちょっと笑いながら言う啓くんにわたしも笑いながら


『何もないよ。家だし。しかもあれ以来本当に遊びとか行ってないんだ。』


「そうなんだ。うん、それがいいよ。」


啓くんは優しい声で答えた。


『なんか急に連絡取らなくなったらさ、ちょっと心配なっちゃって。捕まってないかな、とか…。』


そんなわたしの言葉に啓くんは笑った。

バカにされてる?

心配性って思って呆れてる?

ちょっとムッとしたけど啓くんの言葉を待った。
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