【短編】惚れやすい女
月日が経つ。

元彼と別れて1年。

2年。

3年。



未だにちゃんとした彼氏はできない。

ちょっと付き合ったりはしたけど彼氏とまでは。


好きになった人。

8人。


わたしは歳をとるごとに臆病になっていってた。

自分からメールや電話をすることができない。

若いときってあんなアクティブに動いてたのにいつの間にかすごくヘタレ。


どうして??

向こうから連絡くらいくるでしょって思ってる自分がいるの??


ううん、違う。

返事がそっけなかったり、返ってこなかったりするのがこわいの。

本当の臆病者。


なのに惚れやすいわたし。


9人目に好きになったのは大きなグループの営業。

3つ年上ですごく優しく、かっこよく、魅力的。

ちょっとケチってところがあったけど彼ならそんなのカバーできる。

そして家が近かった。

それをいいことにサシ飲みに誘ってみた。

わたしにしてはすごく行動的なこと。


なのにその日に言われた言葉。


「里香ちゃんって本当に話しやすいし、可愛いし、妹みたいで放っておけないな。」


妹…。

彼女としてみてほしいのに。


ショックを受けすぎてわたしは彼を二度と誘えなかった。

そして彼には彼女が出来、わたしの恋は終わった。


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