Magical Days

☆秘密☆

俺は担任に用事があると言われたので、職員室に向かった。

｢失礼しまーす…って
いねーじゃん…人呼び出しといてそりゃねーだろオイ。｣

なぜか俺の担任(吉田)
だけいなかった。

｢あの…吉田先生っていらっしゃいますか？｣


｢ああ…吉田先生なら、
今はいないけど…もうすぐ戻ってくると思うわよ。｣

別の先生に尋ねると、快く教えてくれた。


｢あと…この間校長先生にちょっとお世話になって…校長先生にお礼というか…その…｣

お世話になって、お礼を言いたいのは本当だけど、ちょっと大袈裟にいい生徒を演じる。これも、俺の日課。

すると、先生はにっこり笑って、
｢校長先生なら校長室にいらっしゃるわよ。本当にあなたは礼儀正しいのね。｣
…と言った。


｢いえ、そんな…｣


こんな事をするのは無意味だって自分でも分かってる。

でも。
“いい人”を演じるようになってからは…




人と接する方法が分からなくなってしまった。

こんな情けない話…
誰にも打ち明けられない。
そうして俺は。
いつしかみんなに好かれているように見える…孤独な人間になってしまった。