小さな初恋
「いただきます」


ワンホールの大きなケーキを、


自分だけで食べられるなんて魅力的だった。




「ど~ぞ♪」


そう言われて、ゆっくりとケーキにフォークを入れた。



やわらかくて…

とても美味しそうだった。





ほのかに香る甘い匂いだけで、満足しそうなくらいだ。



「…美味しい…」


ため息のように呟くと、葵はまた笑顔になった。



「良かった…」


爽やかなフルーツの味。

生クリームと合わさっても喧嘩しない、

調度良い甘さと味。











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