小さな初恋
「無理だよ」


そう言ったきり、

初真はボーッと明後日の方向を向いてしまった。



大変だ。


冗談だったけど…

大分ダメージがデカかったらしい。




「ああ―――もう!!悪かったよ!!

告白とか、簡単に言って悪かったよ!!」


本当に面倒な性格だ。



「……愛ちゃんは、好きな人いる…?」





俺は、

初真にも…ましてや花柄にも、


誰にも好きな人を、

教えていない。





嫌なんだよ。


教えて、

<無理だから諦めな>とか…



言われたくないんだ。


“無理"とか、

一番俺が分かっているから。



でも、

誰かに指摘されるのが怖いんだよ…









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