小さな初恋
青い空を流れる雲が、


俺らの上を通りすぎていく…



どれくらい沈黙だったかも分からないくらい…


俺の中の時間は止まっていた…





「…好きだ」


弱々しい声。



この前までは、

自信をもって“好き"と言えたのに…


今は違う…



本当に好きか自信がない…





小さな頃は、

俺と兄貴は似ていたらしい…


だけど、

俺は兄貴の変わりにはなれない…




簡単にキスをした俺と、

キスをしない兄貴…



ほら、

やっぱり俺は葵を大切にしてないんだ…






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