小さな初恋
* * * * *
光り輝くチャペル…
美しい空に吹く、爽やかな風…
「結婚おめでとう」
純白のドレスに包まれた葵は、
世界で一番美しかった。
「ありがとう…」
照れくさそうに笑う葵に、
俺も笑顔を見せた。
「俺が綺麗って言っても意味ないな?
兄貴じゃなきゃ…」
今日、この式が終わったら…
葵は俺の家族になるのか…
実感がわかない。
まだ、
兄貴と葵が結婚することが、
俺の中で漠然としていた。
「ううん…愛斗に言われて凄い嬉しいよ♪」
中学生の頃より、
もっと伸びた俺の身長。
あの頃だって葵は俺より小さかったけど、
今はもっと小さい。