小さな初恋
「えッ?!」


長い黒髪を下ろして、

その年にしては薄いメイク。



大きな目は、

吸い込まれそうなほど美しかった…



「あたし、愛斗くんのこと知ってるんだ♪」


意味深な言葉を残して、

彼女はその場を後にしようとした。



「待って」


すかさず俺がそれを止めた。








放課後の図書室。


夕焼けに照らされたその場所には、



俺と志野祐里しかいなかった。


彼女が今帰ってしまったら…



もう二度と会えない気がした。











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