小さな初恋
「志野祐里…」


名前を呟いては、

くすぐったい気持ちになった。





俺は、

自分の幸せに向かって…


一歩、

また一歩と…



歩んでいる。










「祐里?」


一緒に帰ることが当たり前になったある日…



「雨…」


ポツッ…


弱かった雨が、

突然強く降りだした。



ザァァァァァアアア…


中2のあの雨の日を、

鮮明に思い出していた…



けど違う。

もうあの時の自分とは別れを告げた。



新しい恋をつかむため…


俺は初恋を捨てた。











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