小さな初恋

葵*side

* * * * *

あたしが健斗に出会ったのは、



忘れもしない高校1年の春。


高校の志望動機は、


なりたいものも、

したいこともないあたしだから、

兎に角高校に入ってから見つければいいと、



あたしの学力でもいける、

落ちない程度の無難な高校だった。




中学の時は学年の首位をずっと保っていたから、


県内ではトップクラスの高校を受けることが出来た。




入学式当日。

健斗は知らないと思うけど、


行きの電車で…

あたしは健斗の存在に気付いたんだ…




この前まで同じ中学生だったとは思えないくらい

大人びていた彼が、


同じ高校だと…

まだ真新しい同じ学校の制服姿で分かった





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