小さな初恋
『楽しい高校生活を、

人より多く送れて幸せじゃん?』


能天気な健斗はそう言って笑っていた。





* * * * *


『お邪魔します』



1年の初夏に、

初めて健斗の家に行った。



大きな一軒家で、


引けをとらないくらいに大きい犬も飼っていた。



黒い犬で、

人懐っこい可愛い犬。


『可愛い♪』

顔をくしゃくしゃに撫でていると、



『その犬、弟の犬』

って、
健斗は教えてくれた。



『弟の犬って…弟いたの?』

初めて聞いた、健斗の家族構成。




両親と、
3つ年が離れた弟と暮らしていて、


犬は弟が友達から譲ってもらったらしい…






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