小さな初恋
「良かったな♪
泣く前に、
俺が腕ひっぱって屋上に連れてきて♪」
得意気に話す初真。
さっき、
花柄が居なくなって直ぐに、
初真が俺の腕をひっぱって、
教室を出ていった。
向かう先は屋上だったけど、
昨日とは違い…
雨が降っているから、
しょうがなく屋上のドアの前にいた。
泣いている暇もないくらい、
俺は自分の心と葛藤していた。
「なんで付き合ったんだよ?」
呆れた声で、
初真に聞かれた。