悪魔的に双子。
その後一切の会話が途切れ、わたしはご飯を食べ終えると逃げるように自分の部屋へ引っ込んだ。


いろいろと疑問はあったのだが、好奇心よりも沈黙の苦痛から逃れたい気持ちの方が勝ってしまった。


百合人くんに出くわさないかとキョロキョロしながら風呂に入り、さっさと上がるとまた部屋に引っ込んだ。


本でも読んで精神統一しようと机の棚の文庫本を取り出したはいいものの、落ち着いてくると、好奇心がむくむくと頭をもたげてきた。


しばらくベッドの上でバタバタしていたが、唯流に聞きにいこうと部屋を出て、唯流の部屋の前に来た。


ノックをしようと手をあげて、ふと唯流は果たして答えてくれるだろうかと不安になった。


あのお姫さま、


「は?めんどくさい」


とか言いそうだ。


それか


「なんで青に話さないといけないわけ?」


とか。


わたしは恐る恐る真昼の部屋の扉に目を向けた。


真昼はまだ起きているだろうか。


寝ていたら起こすのは至難の技だから諦めるしかないが、起きているのなら、唯流よりは話してくれる可能性は高いだろう。


皮肉を言いながらも。


わたしは真昼の部屋の前に来ると、なぜか少し緊張しながら、トントントンとノックした。


「…誰?唯流?……百合人じゃないよね」


中から聞こえてきた真昼の少し不機嫌そうな声。


わたしはドアを開いておずおずと顔をのぞかせた。


「ごめん、わたし」


「あ、青?」


真昼はわたしの姿を見ると、目を見開いた。


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