悪魔的に双子。
真昼は慌てたようにベッドから飛び降りると、ものの二秒でわたしのところにすっ飛んできた。


「どうしたの?百合人に何かされた?」


顔を覗きこまれたわたしは思わず一歩退いて尋ね返した。


「何かって何?」


真昼は眉を寄せると、


「ナメクジ入ったロケット渡されたとかカエルを布団の中に入れられたとか悲鳴が録音されたレコード部屋に仕込まれたとか」


とおよそ小学生レベルの罪状を並べた。


しかも覚えのあるものばかりだ。


「別に何もされてないよ、ね、部屋の中入っていい?」


にっこり笑うと、ほんのりと真昼の頬が赤くなった。


「……別にいいけど」


承諾を得たので、遠慮なく真昼の部屋に入って、ベッドの端に座る。


毎日起こして朝ごはんと弁当作ってやっているのだから、睡眠時間を少しいただくくらい別にいいだろう。


「で、いったい何の用?」


さっきとはうってかわってぶっきらぼうに言うと、真昼はわたしの隣に腰をおろした。


ふわふわの髪が宙を舞うのが、目の端に見えた。


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