悪魔的に双子。
それから真昼は、何故か嬉々として百合人くんのことを語りだした。


真昼によると、百合人くんは周りの人間をおもちゃだとしか思っていないらしい。


一緒に暮らしていた頃、随分酷い目に合わされたそうだ。


「ゴキブリの死体が朝起きたら隣で寝てる唯流の頭にのってたり、幼稚園のお遊戯で使うもんどっかに隠したり。でもどう見たって大人しくて内気ないい子にしか見えなかったから、百合人がいたずらのことで怒られたことなんてまずなかったよ。僕たちが大人に言っても蛇みたいにスルスル抜け出しちゃんだ。」


他にもいろいろ罪状はあるらしかった。


わたしは真昼の話を聞きながら、心の中で戸惑っていた。


真昼が話す百合人くんのいたずらは、だいたいにおいてわたしと有志が真昼唯流にやられたことと類似しているか、もしくはまったく同じだった。


真昼たちは、百合人くんにやられたことを、そのままわたしたちにやっていた?


「真昼……あのさ」


「なに?」


こちらを見た真昼に、わたしはとっさに言葉が浮かばなくなって、


「なんでもない」


とかぶりをふった。


真昼たちは、百合人くんに死ぬような目に合わされたの?とは流石に聞きづらかった。


わたしは昔、真昼と唯流のいたずらで本当に死にかけたことがある。


あの時、二人が正気に戻って助けてくれなければ、どうなっていたか分からない。


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