悪魔的に双子。
「ええっ⁈ちょ、青ちゃんっどうしたの?ごめんね⁈なんかよくわかんないけど」


新田がいきなら泣きだしたわたしにあたふたと謝る。


よく分からんがとりあえず謝っとけ精神か。


「青?」


さっきまで自分も幼稚園児みたいにもろ泣きしてたくせに、有志が心配そうな声でわたしをいたわる。


「園村さん……えっと、どうしよ」


田城は文字通り途方にくれている。


そして何故か真昼が一番焦っていた。


「青⁈青、どうしたの?どっか痛い?保健室行く?」


恥ずかしくて思わず顔を覆ったわたしの両手に、真昼が自分の両手を重ねる。


真昼の手は冷たくて、触られた途端電気が走ったみたいな感覚を覚えた。


「真昼くん、保健室は良いと思う。」


さすが双子の兄。


有志はわたしが泣きだした理由をなんとなく察したらしい。


「まぁ、あえて言うなら、龍と成海のバァカ」


完全に変声の終わっていない有志のちょっと高めの声が、少しだけ楽しそうに田城と新田をなじる。


二人が困惑の顔を浮かべているのが、なんとなく伝わってきた。


あーまさか、田城と新田に泣かされる日が来るとは思わなかった。


ずっと仲直りできないでいる二人を見ていたから、多少ぎくしゃくしていたとしても、ようやく話せた二人を見て、自分でも驚くくらい嬉しかった。


嬉しさがあいあまって泣いてしまうこともあるんだと、はじめて知った。


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