悪魔的に双子。
うーん、と背伸びをする真昼の横でくすくす笑っていたら、ふいに真昼がわたしを見下ろしていることに気づいた。


「どうした?」


笑みを口元に残したまま、わたしは真昼に首をかしげて見せた。


さっきまでツリーと格闘することしか頭にないような顔してたのに、なんだか複雑な表情を浮かべる真昼は、脚立からぴょんと飛び降りると、わたしの耳元に唇をよせた。


「青………ほんとうのお母さんに会いに行かないの?」


自分の目と口が同時にぱっくり開くのを感じた。


なんで真昼がそんなことを知っているのだ。


穴があくほど見つめるわたしに、首をすくめて見せると、真昼は言った。


「有くんにね、聞いてほしいって頼まれた」


「……有志に?」


なぜ有志が真昼にそんなことを頼むのだろう。


あの日、はっきり行かないと言ったはずだ。


二階の飾り付けをしている有志と唯流の楽しげな笑い声が聴こえてくる。


ねぇ、有志、なんでわたしだけ行かせようとするの?


「なんで会いに行かないの?お母さんのこと、嫌いなの?」


悲しげに近づいてくる色素の薄い瞳に、なんとも言えない気分になる。


なんか、わたしがいじめてこんな顔させてるみたいだ。
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