悪魔的に双子。

「俺はけっこう前から青ちゃんのことが好きだったのに、全然気づいてくれないんだもんなぁ。むしろ眼中にない感じ？」


なんと言えばいいか分からず、わたしはただ新田のへらへらした顔を見つめた。


「ごめん、ごめん、そんな顔させたかったわけじゃないんだよ。ただ、一応、記憶にくらい留めて欲しいっていう俺の勝手」


自分がどんな顔してるのかは分からないけど、新田を困らせるくらいには変な顔してるんだろう。


新田がわたしを気遣うように、にっと笑う。


「大丈夫。横恋慕しようなんて思ってないよ。真昼にかなわないことは、もうだいぶ前から分かってたから」


「………新田」


「じゃ、昼休み終わるし、俺行くね。」


わたしが何か言うのを遮るようにして、新田は背を向けた。


校舎の中に入っていく姿をあぜんと見つめる。


………何なんだ、あいつは。


唐突に衝撃の告白したと思ったら、へらへら笑って去って行くのか。


………真昼。


なんでだろ、無性に真昼に会いたい。