悪魔的に双子。
「蓮」


「なんすか、青さん」


「相談室に行くよ」


「……はい?」


放課後、変な顔をする蓮を有無を言わさず引っ張って、相談室の扉を開いた。


「……カウンセラーの先生に相談したいことでもあるんですかい?あいにく、今日はいらっしゃらない日だと思うけど。」


「知ってるよ」


だからここに連れて来たのだ。


ここなら、誰もいないから。


向かい合っている椅子の片方に蓮を無理矢理着席させて、わたしも腰をおろした。


「さて」


おもむろに言うと、蓮は面白そうにわたしを見上げた。


「君の過去を洗いざらい話してもらおう」


「……はい?」


「だから、君の過去を……」


「いやいや、聞こえましたよ、ばっちり。」


「んじゃ、どうぞ」


わたしが聞きの体制に入ると、蓮はポッカーンと口を開けてつぶやいた。


わたしの顔をまじまじと見る。


「昨日の夜、刑事ものの映画でも見たんすか」


「ほえ?」


蓮の質問に、今度はわたしが首を傾げた。


「見てないよ、なんで?」


なぜか、蓮がうーっと頭を抱える。


「青さんは天然さんでしたね……」


失礼な

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