悪魔的に双子。
「……あの子がわたしに見えますか」


「うんっ」


先輩が無邪気にうなづく。


コートの外で普段の大人しさが感じられないほど必死に声を張り上げている有志の外見は、背が低いとはいえ完全に男の子だ。


メイクしてスカートはけば誤魔化せる年齢ではあるが、当然今は男バスの部活着。


顔は似ているが、女子のわたしとは間違えようもない。


でも、この人の目には……


「わたしに見えますか」


「うんっ、青ちゃんが男装した感じ。」


先輩は今日も何気失礼である。


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