悪魔的に双子。
話してたらいつの間にか寝ていて、気がついたら朝になってた。


目が覚めた後、隣で有志が眠っていることに首を傾げて、ああそうか、あのまま眠っちゃったんだと納得した。


今何時だ、と壁にかかってるシンプルな時計に目をやった。


……?


想定していたより短い針が左によっている。


「…やべ」


寝坊した。


一瞬ほうけた後、気持ち良さそうに寝ている頭の下から枕を引っこ抜いてボフボフと有志の背中を叩いた。


「起きてっ!有志‼早く」


「…ん…?」


「寝ぼけてるひまないから‼」


「ほえ…」


寝ぼけ眼で起き上がり、ショボショボと目をこする有志に、


「時計見て!」


と言い残してわたしは有志の部屋をでた。


「うわっ、やばっ」


と有志の焦った声が背中に聞こえた。


「お父さんもお母さんも何で起こしてくれないのぉ」


半泣きになりながらわたしはぼやいた。


即刻自分の部屋に戻ってセーラー服を着なければならない。


バタバタしながら、ふっと真昼と唯流の存在に気がついた。


あの二人、もう家をでたんだろうか。


普段起こしてもらってる恩義を忘れてる可能性はあの二人なら十分にある。


しかし、寝こけてる可能性も十分すぎるくらいある。


わたしはとりあえず目の前の唯流の部屋の取っ手に手をかけた。





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