悪魔的に双子。
やっと校門が見えてきて、わたしは安堵の息をついた。


しんどい。


やはり文化系帰宅部に持久走は鬼門だ。


校門まで辿り着くと歩きだしたわたしに、真昼が変な顔をした。


「どうしたの?一番あせってたくせに」


「ハアハア言いながら…教室入るの恥ず…かしいから。」


息も絶えだえに言うと、真昼の口許に勝ち誇ったような笑みが浮かんだ。


「強がってカバン僕に渡さないからですよ、おねぇさん」


……なんか腹立つな。


「まっ、どうせ遅刻だし、僕も歩いてこっと。」


少し前を歩いていた真昼はわたしが追いつくのを待つと、隣を歩きはじめた。


わたしは真昼の顔を見上げてあることに気づいた。


「そういえば…四人で登校…するの中学入ってはじめて…だね。」


勢いでここまで来たから、四人でいることに何の違和感も感じていなかった。


「…うん。唯流と有くんはもう先行っちゃったけどね。」


結局有志はカバンを二つ下げて完走だ。


たぶん唯流が意地でもはなさなかったんだと思うけど、二人は手を繋いだまま昇降口へ入っていった。

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