悪魔的に双子。
わたしがナメクジ苦手なのはひとえに真昼のせいである。
一緒に暮らしだして間もないころ、真昼はわたしにペンダント型のロケットをくれた。
その頃には、既に真昼と唯流の双子が危険極まりない奴らだと分かっていたから正直警戒はしていた。
でも、真昼の笑顔とそのロケットの美しさにほだされて受け取ってしまったのだ。
そして中を開けたらナメクジがいた。
それだけかよ、と思うかもしれないが不意打ち手のひらの上でナメクジが踊っている衝撃は想像を超えたものがあった。
おぞましかった。
「ど、どぉしよ、この上履き、もう履けない」
「大丈夫だよ。洗えばヌメヌメなんてとれるし。今日は上履きなしだろうけど。」
「いや、無理。もう履かない。」
「あっ、そう」
真昼もあの頃よりは大人になったのか、自分のせいだという負い目もあるらしくそれ以上は何も言わなかった。
「ほら」
真昼がわたしの方に手を伸ばした。
ナメクジの衝撃でほうけていたわたしがポッカーンと差し伸べられた手を見つめていると、
「ほら、立ち上がって」
と少しいらだった声が返ってきた。
足に思うように力が入らないので真昼の腕に思いっきりしがみついて立ち上がると、
「……僕の腕を持つ手に怨念感じるのはなんで?」
真昼の腕をつかんだままわたしは答えた。
「別に怨念は込めてないよ。ただかつてのうらみつらみが…」
「分かってるってッゴメンなさいっ」
真昼はわたしの言葉を遮るとナメクジが入っている方のわたしの上履きをひろった。
その瞬間わたしはパッと真昼から腕を放す。
そんなわたしに、真昼は微かな苦笑いを向けた。
一緒に暮らしだして間もないころ、真昼はわたしにペンダント型のロケットをくれた。
その頃には、既に真昼と唯流の双子が危険極まりない奴らだと分かっていたから正直警戒はしていた。
でも、真昼の笑顔とそのロケットの美しさにほだされて受け取ってしまったのだ。
そして中を開けたらナメクジがいた。
それだけかよ、と思うかもしれないが不意打ち手のひらの上でナメクジが踊っている衝撃は想像を超えたものがあった。
おぞましかった。
「ど、どぉしよ、この上履き、もう履けない」
「大丈夫だよ。洗えばヌメヌメなんてとれるし。今日は上履きなしだろうけど。」
「いや、無理。もう履かない。」
「あっ、そう」
真昼もあの頃よりは大人になったのか、自分のせいだという負い目もあるらしくそれ以上は何も言わなかった。
「ほら」
真昼がわたしの方に手を伸ばした。
ナメクジの衝撃でほうけていたわたしがポッカーンと差し伸べられた手を見つめていると、
「ほら、立ち上がって」
と少しいらだった声が返ってきた。
足に思うように力が入らないので真昼の腕に思いっきりしがみついて立ち上がると、
「……僕の腕を持つ手に怨念感じるのはなんで?」
真昼の腕をつかんだままわたしは答えた。
「別に怨念は込めてないよ。ただかつてのうらみつらみが…」
「分かってるってッゴメンなさいっ」
真昼はわたしの言葉を遮るとナメクジが入っている方のわたしの上履きをひろった。
その瞬間わたしはパッと真昼から腕を放す。
そんなわたしに、真昼は微かな苦笑いを向けた。