紙ひこうき
(あ、ひこうき雲)

自分の力で空を飛ぼうと、必死で藻掻いた二人の兄弟は、思い知らされたのだ。

人間は、空を飛べない。

もしも人間が自由に空を飛び回ることができたなら、ほんのすこしくらいは何かが変わっていただろうか。
そんな馬鹿げたことを考えながら、あたしは無造作に化学の小テストを紙ひこうきへと変身させていく。

さらば、あたしのテストちゃん。

むかつくほど真っ青な空の中を、ちっぽけな紙ひこうきが泳いでいった。
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