Many☆Love
「奏だけなんだよな~。このクラスで話したことないのさ!」
そりゃ、そうだよ。
だって、避けてたもん!
「せっかく、隣になれたし。なんかの縁だよな?よろしく!」
爽やかな笑顔を振り撒きながら言った。
いわゆる営業スマイルってやつ??
「う、うん。よろしくね。」
ぎこちない私。
だって、男子とまともに話すの数年ぶりっていう単位だもん!
「ここ、いいよな?屋上。」
「空、きれいだもんね。広いから、よく見えるよね。」
私は、大きく深呼吸した。
ザワザワと風が吹いて、遠くの森の葉がキラキラ輝く。
「私ね、屋上 大好きなんだ。ここに来るとすっごく、リラックスできるの。」
「俺も屋上好きだよ。なんか、共通点あるな?俺たち。」
「屋上好きに、悪い人はいないよねっ。」
「なんだよそれ~。でも、確かにそうだよな。」
わたしは、ふと安心した。
今まで、話したことなかったのに、一方的に避けていた自分がバカらしいと思った。
話してみれば、いい人じゃん。
人を見た目や第一印象で決めつけちゃダメだね!!
「貴重な、屋上仲間だな。」
ふんわりした可愛い笑顔を浮かべた。
つられて、私も笑った。