Many☆Love
お昼休み───。
田中くんは、用事があって一緒にご飯が食べられないということで、お昼休みに伊緒を呼び出した。
留学の件を相談した。
「紫音が、今留学するか迷ってる理由は遥真のことだよね?」
やっぱり、伊緒は何でもお見通しだ。
「あいつは紫音が思ってる以上に、紫音のことが大好きで大切にしてるの。だから、あいつは紫音と別れたり心変わりすることは、絶対ないよ」
私の目を見つめて優しく諭すように言った。
「まぁ、遥真のやつ顔だけは良いから変な女に近付かれないように、あたしがしっかり監視しとくから!」
親指を立てて伊緒が言った。
「あとは、紫音が直接話しなね」
「うん。頑張る」
「きっと分かってくれる。大丈夫」
そう言うと伊緒は私を抱きしめた。
少し緊張するけど放課後、田中くんに話そうと決意した。