Many☆Love
夕食も食べ終わり、お風呂も入り、リビングのソファに座ってるけど、会話がない私達。
昼間みたいに、心地いい沈黙じゃなくて少し落ち着かない沈黙だ。
気まずさに耐えかねた私は、
「明日早いからもう寝るね!おやすみ」
遥真に言い残し、そそくさと寝室へ行った。
最後くらい黙る時間がないくらい話したかったな〜。
じんわりと涙がにじんできた。
程なくして、遥真も寝室ヘ入ってきた。
私は、ベッドの中で丸まった。
あ、遥真がベッドに入ってきた…………。
「…しおん??起きてる?」
遥真の優しい声が耳に入る。
「…起きてるよ」
「ぎゅって抱き締めていい?」
「いいよ…」
遥真が私を抱き締めてきた。
「俺、ずっと待ってるから。またこうやってぎゅって抱き締めながら一緒に寝たい。俺の作るご飯を美味しいって食べて欲しい。」
「うん…」
返事をするのに精一杯だった。
「浮気なんて絶対しないから。安心しろよ!!だって、小学生の頃からずっと好きなんだから。俺の想い舐めんなよ〜!!! 簡単には俺の気持ち変わんないから」
「…私だって、遥真一筋だから」
「紫音が日本に帰ってきたとき、驚くくらい良い男になってる予定だから楽しみにしとけよ!」
「私だって、遥真と釣り合うくらい良い女になるから。」
遥真が私の頭を優しく撫でた。
「おやすみ」
「うん…、おやすみ」
なんだか夜が明けてほしくない。
そんなふうに思った。