Many☆Love
どん底。
ガチャン。
広い家の中に、ドアの閉める音が響いた。
『ただいま』なんて、ほとんど言ったことがない。
いつだって、学校から帰ってきたら家には誰もいないのだから。
急に、熱が冷めていく。
さっきまで、球技大会であんなに、あったかい気持ちになれたのに...。
私のパパは、会社の社長。
ママは、そこの会社の副社長。
幼いときから、一人が多かった。
だから、一人なんて慣れてる....。
パパとママは、私が寝た頃に会社から帰ってきて、学校に行っている間に出勤する。
それが、ずっと続いている。
小学生の頃は、寂しくて泣いていた。
だって、他の子の家では、帰ると『おかえり。』と言ってくれるのだから。
そんな私は、学校が大好きだった。
学校に行けば友達はいるし、給食も皆と食べれる。
いつも、一人でご飯を食べていたからそれが新鮮でならなかった。
あっという間に、6年生になった。
でも、中学もこのメンバーだ。それが、嬉しくてたまらなかった。
そこで、ハルに出会い初めての恋をした。
ハルと同じ中学に行けるのが、楽しみだった。