Many☆Love
6年生も終わりに差し掛かったとき、ママから思いもよらないことを言われた。
「仕事の関係で引っ越すことに、なったの」
一瞬 頭が真っ白になった。
「....でも、皆と同じ中学校に行けるの?」
私が、ママに聞くと
「同じ県内なんだけどね、ここからは遠いのよ。」
いつだって、親の都合に振り回されてきた。
運動会にも、授業参観にも、熱があって休んでもそばにいてくれなかった。
学校行事に親が来なくても耐えられるのに....。
皆と同じ学校に行けない。
これほど、つらいことなんてないよ。
学校は、私の全てなの。
私の居場所なの。
お願いだから、奪わないで...。
つらくて、悲しくて その日はずっと泣いていた。
皆には、なにも言わず最後の日まで過ごした。
卒業式が、終わったあと先生はクラスの皆を集めた。
「実は、奏さんが転校します。」
私は、皆の前に出た。
今にも涙が溢れそう。
「皆と、同じ中学校に通えなくて悲しいです。6年間仲良くしてくれてありがとう。」
涙をこらえて言った。
ハルを見てみると、複雑そうな顔をしていた。
私は、最後に話しかけられず転校したのだ。
あとで、後悔するとは知らずに。