主従
「こうして誰かと浸かってると両親を思い出す…」
「そうですか…」
「母のカレンは美人で話し方がおっとりしていた…」
チャプっ
エル様が湯船の縁に座った
「父上は優しくて慈愛溢れる方だった…」
「そう…ですか…」
「私はここまでしか覚えてない…」
「あがりましょうか…」
結構浸かってたから逆上せてしまう…
「だが…婚約者の事だけは
思い出せないんだ…
年が10以上離れてて美しい顔立ちだった…
私は彼を愛していた…」
エル様それは……
覚えていらっしゃらないのですね…
あの日々を…