OCEAN SONG
「おばあちゃん」
「なんだい?」
「ある人のことで頭がいっぱいになるのも、
自転車で二人乗りしてドキドキしたのも、
ある人の為にノートを買って
プレゼントしたのも、これも好きってこと?」
おばあちゃんは一瞬
キョトンとしたあと
優しく微笑んで
「そうだね。それは
好きってことでもあるし
恋、だね。きっと」
「恋…」
「美波はあの男の子が好きなのかい?」
「…」
無言でコクりと頷く。
「そうかい。おばあちゃんは反対しないさ。
自分の想いを貫きなさい」
「…うん」
少し恥ずかしそうに、照れたように笑うと
おばあちゃんはゆっくりと頷いてくれた。
私は内野くんのことが好き。
私は内野くんに恋をしている。
小さな淡いピンク色の想いが
ぽっかりと空いた胸の底からポウッと生まれた。
さあ、ここから物語(ストーリー)の始まりだ。
私の恋が今、幕を開けようとしている。