OCEAN SONG
4day
海辺のKiss
「海だよ、海!」
海に着くなり、
私はキャッキャッと
子供のようにはしゃいだ。
「そんなに暴れるなよ」
そんな私の姿を見て、
内野くんは親のように注意を促す。
「うわー、冷たい!」
私は裸足になり、
行っては帰り、行っては帰りを
繰り返す波に足を浸した。
そのときだった。
誰かにグイっと手を引かれ、
私の身体は大きく傾いた。
-内野くんの腕の中にいる-
と思うのにさほど時間は
かからなかった。
「…何?どうしたの?」
「なあ、俺のこと
どう思ってる?」
「どうって、それは…」
-好き、だよ-
そう喉に出かかった。
だけど、戸惑った。
本当に、好きと言っていいのか。
内野くんは、内野くんの気持ちは
どうなんだろう。
私を好きだと思っているのか
クラスメイトに過ぎない、ただの他人か。
内野くんは、内野くんの気持ち、想いは…。