OCEAN SONG
そして顎を上に向かせると
強く強引に私の唇に
自分の唇を押し付けた。
凄くぎこちないキスだった。
そして、更にまた
ギュッと強く私を抱き締めた。
「今…」
「あー、言わせんなよ!」
「キス、したよね…?」
「だから、言わせんな!」
抱き締められて、顔はよく見えないが
きっと顔を真っ赤にしているだろう。
「…嬉しかったよ。ありがとう」
素直にお礼を言うと
「ああ」と、返事が返ってきた。
それと同時に、抱き締められる力が
さっきよりも少し、強まった気がした。